PREVENTIVE DENTISTRY 予防歯科について
予防歯科の大切さ
皆さんは、自分が80歳になった時に歯が何本残っているか想像できますか?
もうすでに残念ながら歯を失ってしまい、不自由を感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。では何故そのような状態になってしまったのでしょう?
日本では多くの方が、口腔内に痛みや腫れという症状が出現した時に歯科医院を受診されています。その場合、その不快症状を除去するために何らかの「治療」が必要になります。しかし、むし歯で一度歯に穴が空いてしまうと、治療をしても決して完全に元の状態に治る「治癒(ちゆ)」はしません。あくまでも「修理」なのです。また、歯周病になり、歯を支えている骨が一度壊されてしまうといくら治療をしたとしても元の骨の状態には戻りません。歯に穴を空けない、骨を壊させない、ことが大切です。
では、どのようにすればご自身の口腔健康を維持できるのでしょうか?
残念ながら「これだけしておけば大丈夫!!」という夢のような方法はありません。それは一人一人、顔や性格が違うように口腔内の状態も一人一人違うからです。まずはご自身の口腔内がどのような状態になっているのか(現在)を知っていただき、なぜそのような状態になったのか(過去)を紐解き、どうすれば改善していけるのか(未来)を考えていかなくてはなりません。
私たちが目指す歯科医院は、皆さんがむし歯や歯周病になってから歯科医院を受診するのではなく、定期的に来院していただき、口腔内の変化をしっかりモニタリングしながらむし歯や歯周病などのお口の中の病気が発症したり、悪化しないように検査、治療、生活習慣を一緒に考えられる歯科医院です。
今からでも決して遅くはありません。今までの歯科医院に対して持っている既成概念を捨て、予防歯科に飛び込んでみてください。きっと素晴らしい未来が待ってるはずです。
予防歯科から考える歯科医療とは
近年、全身の健康は口腔健康がキーポイントとなっている事が分かってきています。歯周病と糖尿病の関係、歯周病と早産・低体重出産との関係、循環障害と歯周病の関係等、多くの疾患に口腔内の疾患が関係しています。
「メタボリックドミノ」という言葉を聞いた事があるでしょうか?
メタボリックドミノは、生活習慣病の負の連鎖を提唱した言葉で、突然大きな疾患が起こるわけではなく、小さな疾患が積み重なる危険性、各症状の関わり方と発症時期、疾患の連鎖反応を重視した一つの図にしています。
生活習慣病など大きな疾患と切り離されたイメージを持たれている歯科ですが、メタボリックドミノの始まりには、むし歯や歯周病があり、予防医療の先端に歯科が在ると言えます。
では、もうすでに問題を起こしている口腔内をどのように治療していくのでしょうか?
予防につながる治療とはどのようなものでしょうか?
口腔内の治療では非常に細かいところを扱います。ですので、当然裸眼では治療はできません。必ず、拡大して患部をみないとミスが起こります。また、口腔内には沢山の細菌が存在します。治療部位にいかにその細菌を入れないようにするかが、治療成功のポイントとなります。自分の口の中はほとんど見ることができないので、どのような状態になっているのか、また適切な治療が行われているのかなかなか確認ができません。
全て歯医者任せにするのではなく、自分の口腔内に関心を持って、相談しながら診療を進める事が歯科医療では大切と我々は考えています。
オーダーメイドな治療を行い、いい状態にしておくことが将来の全身健康に繋がっていきます。