KIRARA REPORT きらら通信

2025.6月号vol.122 骨粗しょう症治療薬と歯科治療

きらら通信

日本調剤の調査では、日本で日常的に薬を服用している人は約4割とされており、60代以上の人では約6割以上が該当しています。

健康のために服用している薬ですが、歯科治療を受ける際には注意が必要なことをご存知でしょうか?

歯科治療を受ける際に、特に注意が必要な薬が「骨粗しょう症の治療薬」です。

骨粗しょう症は、骨の量が減って強度が低下し骨折しやすくなる病気で、閉経後の女性に好発し約1300万人の患者がいると言われています。

その治療は、薬物療法が中心で、その中で骨吸収を抑制する薬(ビスホスホネート、デノスマブ、カルシトニンなど)を服用している人は、歯科治療において特に注意が必要です。

これらの骨吸収を抑制する薬を服用している人が、抜歯などの外科的歯科治療を受けると、稀に「顎骨壊死」を発症し、顎の細胞や組織が死んで骨が腐った状態になり、顎の痛みや化膿のほか、悪化すると歯ぐきに穴が空いて骨が露出する場合があります。

歯科を受診する場合は、お薬手帳などで服用している薬や、患っている病名を正しく伝えることが安全な歯科治療に繋がります。

また、骨粗しょう症の発症前にしっかり口腔内を治療し、継続的に口腔内をメンテナンスすることが重要です。